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「空気人形」 [cinema]


空気人形 豪華版 [DVD]

空気人形 豪華版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD


2/6(土)に、「色即ぜねれいしょん」と同時上映の目黒シネマに出かけ観てきました。
通常の上映期間に見逃してしまい、なんとか見ておきたかったので、こういう機会があって嬉しかったです。

ワンダフルライフ」を観てから大好きになった是枝監督の作品は「幻の光」と「DISTANCE」以外はなんとか映画館のスクリーンで鑑賞できています。
今回は、デビュー作以来のオリジナルではない原作のある物語の映画化で、是枝監督の作品としては結構珍しいです。師弟関係にある西川美和監督も、ご自身で脚本を執筆した作品にこだわって撮っているし、でもそれだけ、この業田良家氏の原作マンガの世界観が独特で、イマジネーションを刺激されてたということ、更にペ・ドゥナさんを主演にというアイデアを効果的に活かせる設定であるというのも大きかったと。
今回、これも是枝監督には珍しい形の美術監督、種田陽平さんの登場。
最初の部屋の描写、または街の中でのアパートの配置等、美術設計のこだわりが生み出す説得力は、こういうちょっと浮遊感のある設定にリアリティを持たせるには不可欠な参加だったと思います。

人形の持ち主・秀雄役は板尾創路氏。是枝作品は今回が初というのは、ちょっと意外でした。キム兄が「花よりもなほ」とか何作かこれまで出演してて、勝手に板尾さんも一緒に出てたと勘違いしてたんですね。この秀雄役の板尾さん、はまり役でした。どちらかというと生きることが不器用で、でもごく普通に暮らしている独り身の男。自身の監督作「板尾創路の脱獄王」でも本心が読みにくい虚ろさを見事に体現していましたが、自らの虚ろさを投影する闇の中に、この空気人形が刹那を埋めてくれる、そのヒトと人形との距離感が、なんだか自然と納得できてしまう彼の表情は見事です。
のぞみと名づけられた人形、そこにこころが宿る冒頭のショットは、CG合成などは一切無くて、部屋の中にモノが実際にあって、その空気の中で動きがあることで醸し出されてくる雰囲気がやっぱり交換のきかないものがある気がして、思わず惹きこまれて見入ってしまいました。ペ・ドゥナさんは、こういう微妙で切ない役柄も大きなチャレンジだったと思うんですが、圧倒的な説得力で、ほんとにきれいでした。外見上のことだけではなく、存在そのものが無垢できれいなもの、でもそれゆえに儚く、切なく、矛盾に満ちているキャラクターで、素晴らしかったと思います。
ARATA氏は「ワンダフルライフ」で初めて観て以来、出演作がそこまで多くは無いんですが気になって観続けている俳優さんです。是枝監督のパンフにあるインタビューでも発言があったとおり、やはり佇まいの繊細なムードと、声のトーンが魅力的でした。ヒトでありながらどこか空気人形と気分を共有してしまうキャラクターで、言葉で埋めなくても共有できていた存在だったがゆえに迎えてしまう原作にはないあのラストは衝撃的でしたが、柔らかくのぞみに寄り添う眼差しの優しさ、そして監督も特にこだわった空気を送り込むシーンの官能。この二人のアンサンブルは本当に惹きこまれました。
そして、オダギリジョーさん。
他の作品では結構エキセントリックでユニークなキャラクターを演じている部分もあるんですが、今回は実に穏やかで抑制の効いた表現で、ちょっと達観している感じがよかったです。
ゴーダ哲学堂 空気人形 (ビッグコミックススペシャル)

ゴーダ哲学堂 空気人形 (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000/02/01
  • メディア: コミック


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コメント 2

non_0101

こんばんは。
今作では是枝監督は美術やカメラで冒険したようですね。
今までにないタイプの作品になっていたと思います。
でも、私は「誰も知らない」以降しか知りません。
もっと以前の作品も観ておかなくては(^^ゞ
キャストも本当に良かったですね~
このキャストが集まっただけでも奇跡のようでした☆
by non_0101 (2010-02-21 00:46) 

cs

nonさん、niceとコメントどうもありがとうございました。
種田陽平さんの美術もそうですし、リーピンピンさんの撮影監督っていうのも、今回の企画があってこその部分だったんでしょうね。
そういう意欲的な試みが自然に一体になって作品世界が完成されてて、それに俳優さんたちの静かな熱といえるような表現があって、観終えた後に不思議な余韻が残るさりげない問題提起もあるようなかなりの野心作なんですが、肩に力が入っちゃってる感じは無く、切ない展開なんだけど何だか少し気持ちのあったかいものが残りました。
「誰も知らない」も衝撃的なテーマなのに、でも眼差しが優しい穏やかな作品なんですよね。
「ワンダフルライフ」は個人的にはとても好きな、ふとしたときに振り返りたくなるずっと大切な作品ですので、もしよかったらご覧になってみてください。
by cs (2010-02-21 02:34) 

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