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「イキガミ」 [cinema]


イキガミ [DVD]

イキガミ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD


10/13(月)に鑑賞してきました。
余裕のある連休で、とりあえずのチョイスですがそれでもまだ観たい作品が幾つも控えてます。
この作品の原作マンガのことは連載になる前の読みきり作品として初登場した頃から読んで知っていました。
  -以下、ネタバレも少しありますので-
今回の映画化でも脚本の内容は原作の複数にわたっていたエピソードをほぼ忠実に1本に構成しなおしてテイストとしてそのまま紹介されているものでした。物語の主人公である配達人・藤本に松田翔太くん。彼の出演映画っていうのは、観るのはもしかしたら今回初めてです。兄の龍平くんは「御法度」から幾つも観てましたが。
この役は主役でありながら基本的には第三者の存在で、“国家繁栄維持法”というある種の暴力に図らずも加担している立場に居て、既に自らは免れた安全な場所(年齢)からまだ安全ではない場所にいる自分より更に若い者たちが様々な形の矛盾を抱えながら“国家繁栄の礎”として召されていく姿を目撃する傍観者というスタンス。イキガミという言葉はこの物語の設定で当人に配達される死亡予告証の通称“逝き紙”を意味するのとは別にイキガミ配達人=死神という逆説的にむすびつくイメージにもつながっていきます。
この設定は象徴的で、実際には自殺者が後を絶たないこの国が無意識的に集団の中で静かに見えざる手によってゆっくり殺されている感覚が、どこか絵空事とは考えにくい実感として捉えられることにつながっているように思えます。
何気なく暮らす日常に潜む言い知れぬ違和感の正体はほとんど確認できないし、やり過ごせないほどのことじゃないと思えます。自分は悪いことしてないし。
いじめによる自殺は遺書に実名で誰が行ったかを書きましょうと奨励などしなくても報道が勝手に地方都市での出来事から全国区に拡大して推進してくれます。TVの画面の中の悲しい出来事は、でも私のことじゃない。身内でも腹が立つことがあったら手をかけましょうと、これも全国に広く知らしめてくれます。近頃世の中、恐ろしいことが多いもんだと、他人事。不祥事が多いから、そういう組織や何考えてるか判らないような危ない輸出国はよってたかって懲らしめましょう。沢山の恩恵を受けてる先進国も一緒に景気が悪いんだから皆さんもっと我慢しましょう。まだ倹約できます。大丈夫です。安泰な政権与党が守ってあげます。だから今こそ、この国の危機回避にすすんで貢献するのです。あなたは今すぐ死ぬ訳じゃないんだから・・・・・・・・・。

空恐ろしさが完全には拭い去れないような余韻を残す仕上がりは監督の狙い通りの方向性でもありますが、希望がどこにもない描き方ではありません。厳しさの中にもしたたかな人としての核が垣間見える藤本の上司・石井課長を演じる笹野高史さんの渋い存在感も印象的でしたが、この作品で語られる死亡予告証が届けられるエピソードの中のひとつ、あるミュージシャンの歌う「みちしるべ」という唄に明確な答えは示されませんが、ありのままでそこに立つことは無意味じゃないと、自らの存在を賭けて伝えているようでした。兄の最期の優しさを受け取って初めて目にした桜も、ただそこにあってこそ、でした。

イキガミ 1―魂揺さぶる究極極限ドラマ (1) (ヤングサンデーコミックス)

イキガミ 1―魂揺さぶる究極極限ドラマ (1) (ヤングサンデーコミックス)

  • 作者: 間瀬 元朗
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/08/05
  • メディア: コミック



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