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「明日への遺言」 [cinema]


明日への遺言 特別版

明日への遺言 特別版

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD


3月1日にハシゴしてきたうちの1本です。
デビュー作の「雨あがる」から観続けてきている小泉監督の新作はまだ小泉氏が黒澤組で助監督だった時代にすでに書き上げていた脚本とのこと、しかし、パンフレットには“事実に即し、虚心に描かんとする”という姿勢の表明があります。おそらく強く思い入れている題材であるにもかかわらず、そのスタンスが小泉監督らしさでもあるのかなと思ったりしました。
ほとんどのシーンが法廷で、淡々と描かれる中に込められた藤田まこと氏演じる岡田資中将の揺るぎ無いメッセージ。それが遺言である意味は様々な複雑な感情を呼び起こしますが、ただ単に説得力も何も無い戦争反対とかいうことではなく、戦場での異常な判断の中でも失うべきではない人としての高潔さが敗戦という立場から歪められることなく貫かれた事実に感動しました。
残念ながら現在の日本人からはほぼ失われてしまっているアイデンティティかもしれません。江戸文化がその当時の世界の中で他に類を見ない清潔で徹底的にリサイクルできる暮らしを実現していて、文明が進む中で簡単に捨ててしまってきた大切なものはその後の幾度かの戦争によって完全に分断されてしまった気がします。本来なら将来を担っていくべき人材の多くが戦地で息絶え、世代を繋いだのはそうではない罪深さの多い人たちで、その結果、生き残り自分さえ良ければ、隠れて何をしても構わないかのような発想を持った大人たちなんでしょうか。全てとは言いませんが、決して尊敬できない上の世代の人たちに背負わされた借金を、それでもがんばって返していかなければならない気がします。実際には何が出来るのかというと絶望に近いんですが。
・・・余りに話が飛躍してしまいましたが、ここで描かれている岡田資という人物像が教えてくれるものの大切さを真摯に受け止めたいです。

タグ:cinema
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コメント 2

minku~♪

<戦場での異常な判断の中でも失うべきではない人としての高潔さが敗戦という立場から歪められることなく貫かれた事実に感動しました。

同じ様に感動しました!
死刑になって死ぬことが判っていても、自分の信念を守り通した凛とした姿に心打たれました。

映画中に流れていた音楽も映画のイメージにあって素敵でしたよね^^

by minku~♪ (2008-03-16 00:06) 

cs

minku~♪さん、早速のコメントどうもありがとうございます。
やっぱり、気になる作品がだいたいかぶるのが嬉しいです。そして同じようなところで印象に残ってるんですよね。
音楽もひたひたと打ち寄せてくる感じで控えめだけどよかったです。
ここで自らの死刑を選択するような行為が岡田中将にとって決して特攻精神などではない部分から生まれているのが新鮮な驚きでした。そして裁判を進める側に居たアメリカ人の中でも公正で理性的な見識もあって支配下に置いている国の人物に対して当たり前の敬意を払える判断が出来る人が居たことも驚きであり嬉しくなりました。主義主張や信条・信仰・文化を越えて相手を尊重できるのって、素敵ですね。
by cs (2008-03-16 11:40) 

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