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「初恋」 [cinema]

初恋 プレミアム・エディション

初恋 プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2006/11/24
  • メディア: DVD


鑑賞は10日、すでに1週間遅れになろうとしています。
このことが起こった当時、「府中3億円強奪事件」というのはまだ自分も物心つく前、覚えていません。かわりに時効を迎えた10年後についてはニュースでしきりに扱われていたのを記憶していましたが。
この映画の原作となる小説では、真実が書かれているのか、小説として創作されているのかは明確にしていないようです(読んでみようと思います)。
1960年代後半、若者は「戦争を知らない子供たち」世代。
でも養老先生の本によれば、まるで当時の学生運動での姿など戦時下が戻ってきたかのような原理主義的行動だったようで、狭量で疾風怒濤で沸騰するような暴走的感情と孤高の理想渦巻く自己を持て余して、それはただ純粋であったと言えなくもないのですね。
他者との親密さに違和感を覚えながら虚無と向き合う岸とみすず、その二人の打ち破るべき何かが、あの事件を後押しする時代の空気によってすんなりと成立してしまったとしても、嘘ではないのかもしれないと、無理なく納得できる内容でした。だから二人の切ないドラマが主役を主張しなくても自然とそうなっていくようです。

劇中、みすずが思わず発する「大人になんかなりたくない」の台詞。
これ、意外に扱いが難しい言葉になるんだと思うんですが宮崎あおいという希代の表現者によってリアルに響いて、はっとさせられます。一度ボツになった映画化が紆余曲折あって実現して、クランクインでは10代最後、クランクアップでは20歳を迎えたあとというタイミングで撮影されている奇跡。
塙幸成監督は「二十世紀少年読本」や「遥かな時代の階段を」に助監督として参加していたそうで、まだ観ていなかった「tokyo skin」という過去の作品も探してみたくなりました。

COILが担当した音楽もジャズ喫茶「B」で流れる音楽も(六本木というグループが担当していたようです)昭和の成熟期の放熱をリアルに見せてくれます。
元ちとせの主題歌「青のレクイエム」がまた、余韻を残し染みました。


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コメント 2

こんにちは!
わたしは最近中原みすずさんの原作を読みました。
文章が淡々としていてそれがかえって切なく感じられました。
映画はまだ観に行ってないので楽しみです!
by (2006-06-16 14:48) 

cs

madoccoさん>
こんにちは。
コメントどうもありがとうございます。
そうですか、原作、読まれたのですね。主演の宮崎あおいちゃんも、けっこう前にこの原作小説に出会っていて、映画化では主演をぜひやりたかったそうです。しかもこの映画化の企画は一度だめになっていて、彼女が10代最後に奇跡のようにクランクインできて、クランクアップには成人していたっていうエピソードがパンフに載っていました。勝手に思い込んじゃうと、これって偶然ではないんでしょうね。
淡々とした文章でこの内容を語るっていうのは、この映画でも共通しているテイストかもしれません。あえて盛り上げていないぶん、じんわりと切ない気持ちが伝わってきます。もしmadoccoさんがこれから映画のほうをご覧になり、期待している通りだったら自分もうれしいです。
自分は逆に、原作を楽しみにして読んでみようと思います。
by cs (2006-06-16 23:20) 

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